フランジ継手とは?規格、形式、座の種類について解説!
今回の記事ではフランジについて解説します。フランジはプラントなどで配管同士やバルブなどの接続させるのに用いられます。圧力容器は内部に流体を受け入れて圧力を保持させるものです。したがって、圧力容器へ流体を供給するラインとの接続部分が必ず生じます。化学プラントではフランジを利用して接続させることが一般的です。では、そのフランジとはどのようなものなのでしょうか?詳しく解説します!
フランジの規格とは?

①JIS B 2220 鋼製管フランジ
JIS B
2220は日本産業規格による規格でフランジに関するものです。本規格では以下のような内容を定義しています。
・フランジの型式(SO、WN、LJ、ITなど)
・寸法(呼び径、呼び圧力、型式ごとの寸法)
・温度ー圧力レーティング、など
②ASME/ANSI B16.5 Flange dimensional standard
ASME/ANSI
B16.5は米国機械学会(ASME)および米国国家規格協会(ANSI)のフランジに関する規格でJISと同様に寸法や温度ー圧力レーティングなどを規定しています。
③JPI-7S-15 石油工業用フランジ
JPI-7S-15は日本石油学会が制定したフランジの規格です。ANSIフランジ(ASME/ANSI B16.5)をベースとして作られており、基本的な寸法は統一されています。
フランジの形式について
フランジには様々な形式があり、その用途に応じて使い分けるのが一般的です。どのような形式があるのか、JIS
B 2220を元に説明します。
スリップオン(板フランジ)(SOP)
1.0MPa未満の低圧の圧力容器に広く一般に使用されます。開先を設ける必要がなく施工が容易な一方、強度面では劣るため、高温な場面では不適です。
スリップオン(ハブフランジ)(SOH)
板フランジの管挿入部の周りに縁が設けられたフランジです。
ソケット溶接式(SW)
管の先端をフランジに付き当てるように差し込み、溶接する形式のフランジです。溶接個所が少なく、高温高圧な場面への使用は不適です。
突き合わせ溶接式(WN)
管と突き合わせ溶接にて接合する形式のフランジです。外力に対する強度が優れており、高温・高圧の場面に適します。
遊合式(LJ)
つば付きの配管接手であるスタブエンドと管を突き合わせ溶接にて接合し、フランジはスタブエンドのつばにひっかけて使用するフランジです。スタブエンドとフランジは溶接しません。したがってフランジ自体は自由に回転させることができ、現地工事の際の施工性がよくなります。低温・低圧の場面で用いられることがあります。
ねじ込み式(TR)
フランジ内径にテーパーめねじが施されており、テーパーおねじのある管をねじ込んで接合させるフランジです。溶接を使用しないためシール性が劣ります。
一体型(IT)
フランジ部分とノズルネック部分が一つの部材で形成されたフランジです。一体もので形成されているため外力に対する強度は優れます。
閉止フランジ(BL)
フランジの蓋をするためのフランジです。ブラインドフランジと呼称することが多いです。
ガスケット座の種類について
フランジは間にシールのためのガスケットを挟みます。そのガスケットが接触する面の形状にも様々なものがあります。どのようなものがあるのか、JIS
B 2220を元に説明します。
全面座(FF)
ガスケット当たり面が一様に平坦な座面。RF座などと比較してガスケットの接触面積が大きく面圧が低いためシール性が劣ります。JIS
10K以下、JPIクラス150以下で使用されることが一般的です。
平面座(RF)
ガスケット当たり面がやや盛り上がった形状の座面。FF座と比較してガスケットのあたり面が狭くなるため、面圧が確保できシール性が優れます。
はめ込み形(MF)
凸型のメール座と凹型のフィメール座を互いにはめ込む形で接合する座面です。
メール座が凸の側(MF-M)、フィメール座が凹の側(MF-F)になります。凹凸のフランジをはめ込むことで芯を正確に出すことができます。
平面座に溝を設けたグルーブ座(TG-G)と凸を設けたタング座(TG-T座)をお互いにはめ合わせる形で接合する座面です。面圧を確保できるため、シール性に優れます。
フランジ形式とガスケット座の組み合わせについて
JIS B
2220ではフランジの形式とガスケット座の組み合わせで認められるものを規定しています。その組み合わせは以下の表で◯が付いているのもです。逆にこの表で認められていない組み合わせのものは、規格フランジとして見なされないこととなりますので、注意が必要です。10KのWN, ITを除くフランジ形式ではRF座は使用不可な点は注意が必要です。
まとめ
今回はフランジについて解説しました。フランジには様々な形式があること、様々なガスケット座があること、さらにフランジ形式とガスケット座の組み合わせについて解説しました。機器の圧力、温度に応じて適切なフランジを選定することが必要です。規格をよく参照されることをおすすめします。
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